ロゴ税理士法人 和田会計

コラム
和田会計から税務についての情報をお届けします。

all

2025.01.24

相続税の税務調査が怖い!調査されやすい申告内容と強い税理士と回避方法

 

相続は人生では、そう多くはない経験です。この時に自分がしっかりと申請できているのか、とても気になりますよね。

 

税務のことについて、大抵多くの人はそれほど知識をもちあわせているものでもありません。そこで申告内容も気になってくるでしょう。

 

調査されやすい申告内容を知っておくことで、税理士に依頼する時もどのようなところを重点的に依頼すればいいのか見えてくるでしょう。

 

税務調査がどのような時に入るのか、どのようにしたら相続税の申告が正しいのかを把握しておくことが大切です。

 

今回は相続税の税務調査にフォーカスして、相続についての理解を深めていきましょう。

facebookバナー
 

相続税の税務調査とは

相続税の税務調査とは、どのようなものがあるのでしょうか。まずはその内容について知識を深めていきましょう。

 

税務調査の内容

税務調査には、任意調査と強制調査の2種類があります。

 

ほとんどの場合は任意調査ですが、悪質な脱税や租税回避などの重大な不正行為が疑われる場合には強制調査が行われます。

 

任意調査

任意調査とは、税務署からの協力要請に応じて行われる調査です。納税者が任意で協力する形をとりますが、実質的には拒否することが難しいのが現状です。

 

税務署職員が自宅や事務所などに来訪し、帳簿や書類などを確認します。

 

強制調査

任意調査に応じなかった場合や、悪質な脱税の疑いがある場合などには、強制調査が行われることも。これは国税犯則取締法に基づき、裁判所発行の令状を持って、強制的に捜索や差し押さえが行われます。

 

強制調査は、下記のような条件と手続きで行われます。

 

根拠:国税犯則取締法

強制調査の条件:任意調査への不応、悪質な脱税の疑い

手続き:裁判所が発行した令状の提示

調査内容:捜索、差し押さえ

 

強制調査は、納税者の権利を著しく制限する可能性があるため、慎重に実施されます。

 

税務署は、強制調査の必要性を裁判所に訴え、令状を取得しなければなりません。

 

強制調査において押収された証拠は、刑事裁判で有罪判決を得るための重要な証拠となる可能性があります。

 

ここで得た情報は、追徴課税や延滞税、加算税の算定にも利用される可能性があるでしょう。

 

税金を納めるのは国民の義務ですから、不正をするのではなく誠実に申告することが大切です。

 

調査の確率はそれほど多くない

相続税の税務調査と聞くと、税務署員が自宅に押しかけてくるような、強制調査をイメージする人もいるかもしれません。

 

しかし、実際には強制調査が行われることは稀です。

 

 

ほとんどの税務調査は任意調査であり、納税者の協力のもとで行われます。

 

 

調査の確率

国税庁の統計によると、令和4年分の相続税の調査割合は3.8%です。これは、申告件数210,960件に対し、調査件数が8,030件だったことを示しています。

 

つまり、100件の申告があれば、調査されるのは約4件程度です。

 

過去のデータを見ても、令和元年分は3.8%、令和2年分は3.9%、令和3年分は4.0%と、おおむね3~4%で推移しています。

 

これらの数字からわかるように、相続税の税務調査は、一般的にイメージされているほど多くはありません。

 

ただし、申告内容に不備があったり、高額な相続財産がある場合などは、調査対象となる確率が高くなる可能性があります。

 

調査の時期は申告の翌年か翌年以降の8〜12月

相続税の申告期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内です。

 

税務調査は多くの場合、この申告期限の翌年、つまり被相続人が亡くなった翌々年の8月~12月頃に集中して実施されます。

 

これは、税務署が1年かけて申告内容を精査し、調査対象を選定するためです。

 

申告期限から1年以上経過していても、調査が行われる可能性はゼロではありません。

 

また、税務署の事情により、8月から12月以外の時期に調査が行われるケースも稀にあります。

 

たとえば他の調査との兼ね合い、人員配置、緊急性の高い事案への対応などが要因となる場合もあります。

 

もし、税務調査の連絡が来た場合は、慌てずに対応することが重要です。

 

落ち着いて税理士に相談し、適切な対応を取りましょう。冷静な対応が、不要なトラブル回避につながります。

 

税務調査が入りやすいケースとは

相続税において税務調査が入りやすいケースについて紹介しましょう。

 

申告書に不備が認められた

申告書に不備があると、税務調査の対象となる可能性が高まります。

 

税務署の職員は、申告書の記載内容や添付書類を精査し、不備がないかを確認します。

 

小さなミスでも、調査のきっかけになる可能性があるため注意が必要です。

 

計算ミス:相続税や控除額の計算を間違えている場合。単純な計算ミスだけでなく、税法の解釈を誤って適用しているケースも含まれます。

記載漏れ:相続財産の一部を申告していない、あるいは必要書類の添付を忘れている場合。故意でなくても、うっかりミスが調査対象となる可能性があります。

添付書類の不備:戸籍謄本や不動産の評価証明書など、申告に必要な書類に不備がある場合。書類の有効期限が切れていたり、必要な情報が不足していたりするケースも含まれます。

不適切な特例適用:適用条件を満たしていない特例を適用している場合。税法の理解不足による誤適用は、追徴課税のリスクを高めます。

 

2億円以上の相続

相続財産が2億円を超える場合は、基礎控除額を超過するため、相続税の申告が必要になるケースがほとんどです。

 

税務署は、申告漏れがないか、適正な評価額で申告されているかなどを重点的に調査する傾向があります。

 

高額な相続財産の場合、税務調査の対象となる可能性が高いため、注意が必要です。

 

現金資産が多い

相続財産に占める現金の割合が高いと、税務調査の対象となる可能性が高まります。現金は追跡が難しく、申告漏れや名義預金などが疑われやすいからです。

 

税務署は、被相続人が生前に多額の現金収入を得ていたにもかかわらず、申告額が少ない場合も不審がります。

 

ほかにも相続人名義の銀行口座に不自然な入金がある場合など、現金資産の動きに注目します。

 

多額の借入金があるのに資産がない

被相続人に多額の借入金があるにも関わらず、相続財産に相当する資産がない場合、税務調査の対象となる可能性が高まります。

 

税務当局は、借入金が本当に存在するのか、そして存在するならばその使途、隠された資産がないかを重点的に調査します。

 

使途不明金や名義預金、海外への資産隠蔽などが疑われる場合、税務調査で詳細に調べられます。

 

相続開始時点で被相続人に多額の借入金があり、相続財産に見合う資産がない場合は、借入金の使途を証明する書類などを準備しておくことが重要です。

 

具体的には、借入金の契約書や返済履歴、使途がわかる領収書や通帳の記録などです。

 

これらの資料を事前に準備することで、税務調査にスムーズに対応できます。

 

名義預金や暦年贈与が多い

名義預金とは、実際にはAさんの預金なのに、Bさんの名義で預金していることです。

 

税務署は、名義預金や多額の贈与を把握している可能性があります。

 

 

調査が入った場合、贈与の時期や金額、贈与税の納付状況を聞かれるでしょう。

 

贈与税を納めていない場合は、追徴課税と延滞税、加算税を支払うことになります。

 

さらに生前に多額の贈与を受けている場合も、税務調査で指摘される可能性があります。

 

贈与税の申告漏れや、贈与の事実を証明する資料がない場合などは、追徴課税の対象となる可能性があるので注意が必要です。

 

贈与に関しては、証拠を残しておくことが大切になります。

 

相続人名義の証券口座に残額が多い

被相続人の生前に、相続人名義の証券口座に多額の残高がある場合、税務調査で問題視される可能性があります。

 

これは「名義預金」と判断される可能性があるためです。

 

名義預金とは、名義は相続人になっているものの、実際には被相続人が資金を所有・管理し、自由に使える状態の預金や証券口座を指します。

 

名義預金は、相続財産を隠蔽し、相続税の納税を回避する手段として利用されるケースがあり、税法上問題となります。

 

海外資産もある

海外に資産がある場合は、その種類や取得時期、金額などを正確に把握し、申告漏れがないように注意しましょう。

 

税務調査で指摘を受けると、追徴課税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。

 

海外資産の申告は複雑なため、税理士に相談することをおすすめします。

 

家族の資産が多い

家族に多額の資産がある場合、税務署は被相続人との関係性や資産の取得経緯を詳しく調べます。

 

たとえば子供名義の預金口座に多額の入金がある場合、贈与を受けた時期や金額、贈与税の申告状況などを税務署が調べることを覚えておきましょう。

 

被相続人が上場企業の社長や重役、医師や弁護士

被相続人が上場企業の社長や重役、医師や弁護士などの高額所得者であった場合も、税務調査が入りやすい傾向にあります。

 

これらの職業の方は、一般的に高額な所得を得ていると想定されるため、相続財産も高額な可能性が高いと判断されるからです。

 

また、社会的地位の高い職業であることから、適切な納税が行われているかどうかの確認も兼ねて、税務調査の対象となることがあります。

 

税理士に依頼せず自己申告

相続税には様々な特例や控除がありますが、それらを適切に適用するためには専門知識が必要です。

 

税理士であれば、これらの特例や控除を最大限に活用し、節税対策をしてくれます。

 

このほか税務調査が入った場合も税務署との交渉や対応を任せられます。

 

税務調査に慣れていない方が1人で対応するのは大変な負担となるでしょう。

 

無申告

相続税の申告期限までに申告を行わなかった場合、税務調査の対象となる可能性が非常に高くなります。

 

意図的な無申告はもちろん、申告が必要なことを知らなかった場合でも、税務調査が入る可能性があるので注意しましょう。

 

まずはご相談だけでも、お気軽にお寄せください。

税務調査をされないように!回避方法

税務調査をされないように回避する方法について紹介します。

 

正しく申告

相続税の税務調査を回避する最も確実な方法は「正しく申告すること」です。

 

税務調査では、申告内容に誤りや漏れがないか、財産の評価が適切かなどが厳しくチェックされます。

 

「忘れていた」「知らなかった」では済まされません。きちんと相続にまつわる専門用語などをチェックし、理解しておくことが大切です。

 

相続や税務調査に明るい税理士に依頼

相続税の申告や税務調査には専門知識が必要です。

 

税務調査に精通した税理士に依頼することで、適切な申告と対応が可能になります。

 

  • 税務調査の立ち会い
  • 税務署との交渉
  • 修正申告や更正の請求
  • 調査官への適切な説明

 

税務調査は、専門家でなければ対応が難しい場面も多いです。

 

税理士に依頼することで、精神的な負担を軽減し、スムーズな調査対応を実現できます。

 

被相続人の財産を、漏れなく把握する

相続税の申告では、被相続人が所有していたすべての財産を漏れなく把握することが重要です。

 

把握漏れがあると相続税の過少申告につながり、税務調査で指摘を受ける可能性があります。

 

被相続人の財産を漏れなく把握するために、下記の点に注意しましょう。

 

金融資産

預貯金、有価証券(株式、債券、投資信託など)の口座情報、残高、取引履歴などを確認します。金融機関から発行される残高証明書や取引明細書を活用しましょう。

 

不動産

土地、建物などの所在地、面積、固定資産税評価額などを確認します。固定資産税評価証明書や登記事項証明書を活用しましょう。

 

動産

貴金属、自動車、美術品、骨董品など、換金価値のある物品を確認します。鑑定書や購入時の領収書があれば保管しておきましょう。

 

その他の財産

ゴルフ会員権、特許権など、換金性のある権利を確認します。会員権証書や権利に関する書類を活用しましょう。

 

上記に加え、被相続人の負債(借入金など)も確認が必要です。負債は相続財産から控除できます。

 

また、生前贈与があれば、贈与財産の種類、金額、贈与時期などの詳細を把握し、必要書類を保管しておきましょう。

 

生前贈与した場合は証拠を残す

生前贈与を行った場合は、贈与契約書の作成、贈与時の通帳のコピーなど、贈与の証拠を残しておくことが大切です。

 

贈与した事実を証明できる資料がないと、相続税の対象として課税されてしまう可能性があります。

 

贈与契約書を作成する際は、贈与者と受贈者の氏名、住所、贈与の内容(金額、財産の種類)、贈与日などを明確に記載します。

 

また、贈与契約書は原本を複数作成し、贈与者と受贈者がそれぞれ保管しておきましょう。

 

相続に関するやりとりは形に残す

相続の話し合いの内容を記録に残すことで、相続人間で認識相違を防ぎ、スムーズな相続手続きを進めることができます。

 

話し合いの場には、税理士などの専門家も同席してもらうと、より正確な記録を残すことができます。

 

また、専門家は、相続税の申告や納税についてもアドバイスをもらえるので、申告後のトラブルを防ぐことができます。

 

税務調査される場合の対処法

相続税の税務調査がされる場合の対処法について紹介します。

 

申告書の内容を再度確認する

税務調査が入ると、まず提出済みの申告書の内容が事実と相違ないかを確認されます。

 

 

申告後に内容を忘れてしまっている場合もあるため、改めて申告書の内容を再確認しましょう。

 

 

財産を洗い出しする

税務調査では、被相続人が所有していた全ての財産を把握しているかが重要になります。

 

税務調査が入る前に、改めて財産を洗い出し、申告漏れがないか確認しましょう。

 

財産の洗い出しは、通帳や権利証、契約書など、所有を証明できる書類に基づいて行います。

 

被相続人が生前にどのような財産を所有していたか、ご家族や親族にも確認しておきましょう。

 

申告内容を明らかにする資料を揃える

税務調査が入ると、税務署の担当者は申告内容の確認を行います。税務調査にスムーズに対応するため、以下の書類等を準備しておきましょう。

 

相続税申告書:提出済みの相続税申告書の控え。

戸籍謄本:被相続人の出生から死亡まで、相続人全員の現在の住所が確認できるもの。附票も含みます。

遺産分割協議書:相続人間で遺産の分割方法について合意した内容を記した書類。

預貯金関係:被相続人と相続人それぞれの預金通帳、残高証明書など。

不動産関係:土地や建物の権利書、固定資産税評価証明書など。

有価証券関係:株式や債券などの取引明細書、評価明細書など。

生命保険関係:生命保険証券、死亡保険金受取額証明書など。

借入金関係:借入金の契約書、残高証明書など。

贈与関係:生前贈与を行っていた場合の贈与契約書や通帳のコピーなど。

その他の財産:貴金属や美術品、自動車などの財産を証明する資料。

 

税務調査の時は、原本の提示を求められる場合がありますので、コピーとあわせて原本も保管しておきましょう。

 

税務調査官との面談に同席する税理士には、事前にこれらの資料を提供し、申告内容を再確認してもらいましょう。

 

 

相続税の申告漏れがあった場合のペナルティ

税務については難しい内容が多く、相続の申告漏れが予期せず起こる場合もあります。そのときのペナルティについて紹介しましょう。

 

延滞税

申告期限までに相続税を納付しなかった場合、延滞税がかかります。

 

2か月以内であれば、割合は年2.6%と低いですが、2か月を超えると7.3%と高くなります。

 

さらには1年を超えた日以降は年9.9%となります。忘れないように申告しましょう。

 

加算税

申告漏れがあった場合、本来納めるべき税金に加えて、加算税が課されます。加算税には、無申告加算税、過少申告加算税、重加算税の3種類があることを覚えておきましょう。

 

無申告加算税

無申告加算税は、申告期限までに申告しなかった場合に課されます。税率は、本来納めるべき税額の15%です。ただし、悪質な場合は35%に跳ね上がります。

 

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告したものの、税額が少なかった場合に課されます。税率は、本来納めるべき税額との差額の10%です。こちらも悪質な場合は、40%になります。

 

重加算税

重加算税は、悪質な過少申告があった場合に課されます。悪質性とは、仮装・隠蔽などを行い、税額を少なく申告した場合を指します。

 

税率は、本来納めるべき税額との差額の35%または40%です。

 

富士市の相続にお困りなら税理士法人和田会計がおすすめ

税理士法人和田会計は、相続税に関する豊富な知識と経験を持ち、これまで多くの相続案件をサポートしてきた実績があります。

 

富士市をはじめとした地域密着型のサービスを提供しており、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なサポートを行っています。

 

相続に関するお悩みを解消し、スムーズな手続きを進めるために、ぜひ専門家の力を活用してください。

 

お問い合わせのメールはコチラ

 

税理士法人和田会計 代表税理士 和田 雄祐

令和3年 税理士法人和田会計設立。法人税務顧問からクラウド会計導入支援など幅広く手掛ける。静岡県富士市出身。地域密着型の税務顧問を心がけている。趣味はゴルフ、フットサル、筋トレ。

Back to List