2024.11.13
ふるさと納税は何がトク?仕組みからメリット・デメリットをご紹介
ふるさと納税は、寄附を通じて自治体を支援しながら、税金の控除と返礼品を受け取ることができる制度です。ただしいくつかの留意点があります。
ふるさと納税を語る上で難しく感じるのが税金の仕組みや限度額などのことです。
日頃から税金を気にしていないと、ひとつひとつの言葉の解釈も追いつかずに「なんとなく難しいから、ふるさと納税はやめよう」と思ってしまうのではないでしょうか。
そこでふるさと納税にそれほど詳しくない方にもよく分かるようにご説明します。
ふるさと納税の最大のメリットは、寄附金額から2,000円を超えた部分に対して税金が控除されることです。
具体的には、以下の控除が受けられます。
これにより、実質的に2,000円の自己負担で寄附ができる仕組みになっています。
2,000円以上の品を返礼品でもらえているのなら、かなりおトクです。
ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄付をすることで税金の控除を受けられる制度です。
最近の動向では、2023年度の寄附額は1兆1175億円を記録し、利用者数も1,000万人に達しています。
それくらい多くの人がふるさと納税を利用しており、人気が高い節税方法になっているのです。
またふるさと納税は、税金の控除と返礼品の受け取りという個人的なメリットだけでなく、地方創生や地域活性化にも貢献する制度として定着しています。
ただし、制度の変更や控除上限額などに注意しながら利用することが重要でしょう。
ふるさと納税を年内の税控除対象とするためには、ふるさと納税の申し込みと入金を12月31日23:59までに完了させる必要があります。
控除上限額は年単位で設定され、翌年への繰り越しはできません。
年内に上限額まで利用することでメリットを最大化できます。
ただし一部の自治体では12月31日より前に締め切りを設定している場合があるので注意が必要です。
また、以下のように支払い方法でも、寄付日の扱いが変わってきてしまう点にも注意しましょう。
クレジットカード決済:決済完了日が寄付日
銀行振込やコンビニ払い:入金日が寄付日となるため、余裕を持って入金する必要がある
翌年1月10日までに必要書類を寄付先自治体に提出する必要があります。
翌年2月16日から3月15日までに申告を行います。
つづいて、ふるさと納税のメリットについて理解を深めましょう。
ここでいう寄付金は、控除となった自分の所得税や住民税です。普段は所得税や住民税の使い道を選ぶことができません。
しかしふるさと納税は注文時に、使い道を選べる場合があります。子どもの未来のためや町おこしのためなど、その使い道を指定できるのです。
税金がどこに使われているか理解できるので、寄付していても楽しいでしょう。
税金の使い道が分かると、その先にいて喜んでくれる人の顔が浮かびます。
「税金って国や人のために役に立っているんだ」と実感するときでもあり、どこかほっこりしますよね。
食品から日用品、家電、旅行券まで幅広い品揃えがあり、自分のライフスタイルによってほしいものを選べるのが嬉しいポイントです。
実質2,000円の自己負担で、それ以上の価値がある返礼品を受け取れます。
あえて高級食材を選んでグルメを楽しむこともできます。
さらに実用品としてはタオルやティッシュペーパーなども人気。物価上昇中の世の中にもありがたい、ふるさと納税の魅力です。
自身の所得に応じた控除上限額を把握し、その範囲内で寄附を行うことで最大の恩恵を受けられます。
今年の12月31日までに寄附を完了させることで、翌年の税金から控除を受けられるのも、恩恵を早くに感じられるので嬉しいですよね。
よく間違って認識されているのが、控除上限額の範囲内で一つの自治体を選ぶというもの。
実はふるさと納税は複数の自治体に寄附することができます。
多様な返礼品を受け取りつつ、税控除の恩恵を最大化できるほか選ぶ楽しみが増えるので多くの自治体にふるさと納税で寄付金を送りましょう。
自分の故郷や旅行先、思い出のある地域に寄付することで、その地域の発展や復興に貢献できます。
特産品やサービスを通じて、その地域の文化や魅力を感じることができるのも嬉しいポイントです。
いいことばかりのふるさと納税ですが、それ以外にも気をつけなければならないポイントがあります。
ふるさと納税のデメリットについて紹介します。
寄附金控除は「寄附金額 – 2,000円」で計算されます。
つまり、2,000円は控除対象外となり、必ず自己負担が発生することは覚えておきましょう。
寄附金額や所得に関わらず、2,000円という一律の基準を設けることで、制度の公平性を保っています。
ふるさと納税で税金控除を受けられる金額には上限があります。
寄付した年は恩恵を感じにくいこの上限を「控除上限額」または「控除限度額」と呼びます。
自分の限度額を超えてもふるさと納税で寄付することはできますが、自分の限度額がどのくらいなのかあらかじめ理解しておくことが大切になります。
ふるさと納税を利用する際の主な注意点は以下の通りです。
ふるさと納税は実質、税金の前払いです。寄付金額から2,000円を引いた額が翌年の税金から控除されるだけで、支払う税金の総額は変わりません。
ただしふるさと納税として、税金を納入することによって食べ物などの返礼品をもらえるのは嬉しいポイントです。
ふるさと納税において、支払いに使用するクレジットカードの名義が寄附者と異なる場合、原則として寄附金控除の対象とならない可能性があります。
ふるさと納税では、「寄附をする人(決済する人)」と「控除を受ける人」が同一でなければなりません。
たとえば妻の名義のクレジットカードをつかい、夫名義でふるさと納税の申し込みをした際は控除とならないので注意が必要です。
医療費控除、小規模企業共済等掛金控除などの所得控除を利用すると、課税所得が減少します。
そしてこの課税所得の減少により、ふるさと納税の控除限度額が少なくなる可能性もあるので注意しましょう。
また確定申告で複数の控除を申請する場合、控除の順序によって結果が変わる可能性があるため注意が必要です。
ふるさと納税の控除限度額は、寄附者の年収や家族構成によって異なります。
以下に控除限度額の計算方法と注意点をまとめます。
控除限度額 = (年間給与収入 – 所得控除) × 20% + 2,000円
基準値は、寄附を行う年の1月1日から12月31日までの所得と、12月31日時点の家族構成です。
自分で計算するのが難しい場合、ふるさと納税のポータルサイトにあるシュミレーターなどをもちいて計算するのもおすすめです。
ふるさと納税をした方が良い人の特徴について、まとめてみました。
控除限度額が7,000円未満の場合、金銭的なメリットがほとんどないため、7,000円以上の控除限度額がある人にとってふるさと納税はより有益です。
一般的に、年収300万円以上の給与所得者は控除限度額が7,000円を超えるため、ふるさと納税のメリットを享受しやすくなるでしょう。
ふるさと納税は、地方創生や地域活性化に貢献したいと考える人にとって、気持ちが高まるような仕組みになっています。
たとえば返礼品を通じて各地の魅力を知りたい、または特産品を楽しみたい人にとって、ふるさと納税は税金の控除もできておすすめです。
ふるさと納税だけでしか展開されていない商品などもあります。
ふるさと納税でその市町村のことについて把握できたり、「美味しかったら今度は現地を訪れよう」と思うことは人生をさらに充実させてくれるでしょう。
単純に寄付以外に、自分の嬉しい知識や体験が増えるのでおすすめです。
ふるさと納税をしない方がいい人の主な特徴は以下のとおりです。
税金を納めていない人は控除を受けられないため、メリットがありません。
とくに年収にして150万以下の方は控除限度額が低く、返礼品の価値が自己負担額2,000円を下回る可能性があります。
控除は寄附した翌年度の税金から行われるため、即時に実感できる金銭的メリットがなかなかありません。
また手持ち資金が少ない状況で寄附をすると、一時的に資金繰りが厳しくなる可能性があります。また単純に2,000円はどうしても寄付金としてでてしまうものです。
退職金は特別な税制優遇があるため、ふるさと納税の控除限度額が想定より低くなる可能性があり、通常の給与所得者と比べて大きなメリットは期待できません。
ただし、個人の状況によって異なるため、自身の控除限度額を正確に把握し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
年収の変動が予想される場合、その年の予想年収を考慮して控除限度額を計算することが重要です。
年収の変動が不確定な場合、年初は控えめな金額でふるさと納税を行い、年末に再度確認して追加の寄付を検討するのが賢明でしょう。
また年収が予想以上に減少した場合、控除限度額を超えた寄付は自己負担となるリスクがあります。
以下のような流れでふるさと納税を申告すると良いでしょう。
シミュレーターなどを使って、自身の控除限度額を事前に確認します。
寄附したい自治体や希望する返礼品を選びます。またワンストップ特例制度を利用する場合は5自治体以内に留めます。
自治体のウェブサイトやふるさと納税ポータルサイトから申し込みをしましょう。
クレジットカード決済や銀行振込などで支払いを行います。
寄附後、自治体から返礼品が届きます。
自治体から寄附金受領証明書が送られてきます。
ひとまずふるさと納税の納税先を決めるところから、返礼品を受けとるまでのフローは上記の通りでした。
このあと控除申請をするためには、以下のポイントに気をつけてください。
確定申告期間(翌年2月16日〜3月15日)に、寄附金受領証明書を添付して申告。
寄附時に各自治体へワンストップ特例申請書を提出(翌年1月10日まで)。
確定申告した場合は所得税が還付され、翌年度の住民税が減額されるのが嬉しいポイントです。
ワンストップ特例制度の場合は翌年度の住民税から控除されます。
ワンストップ特例制度は、手続きが簡単なものの条件を満たす必要がありますので注意しましょう。
たとえば確定申告不要の給与所得者で5自治体以内などです。
ふるさと納税は事実上の減税ではないものの、生活用品や食品などの返礼品を選べば寄付をしながら生活費を節約することも可能になります。
単なる節税手段ではなく、地方創生や地域支援という本来の趣旨を理解した上で利用できるとよいですね。
また控除限度額の範囲内で、無理のない寄附を行いましょう。
年末にいきなり払うのではなく、年間を通じて計画的に寄附することをおすすめします。
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