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相続税

2024.09.22

土地を相続したら相続税を気にすべき!計算方法や使える控除や特例を紹介

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土地の相続
相続する際に土地があった場合、金銭ではないからこそ戸惑いが起こるものです。

 

どのような手続きをふむべきかわからなかったり、控除にどのようなものがあるのかを把握するのも難しいものですよね。

 

そこで今回は土地を相続したら払うべき税金や使える控除について紹介します。

 

土地を相続した場合にかかる税金とは

土地を財産として相続した場合、どのような税金がかかるのかをチェックしてみましょう。

 

相続税

土地は財産として相続税の課税対象となります。

 

ただし、遺産総額が基礎控除額を超えない限り、相続税はかかりません。

 

登録免許税

登録免許税は、不動産の所有権移転などの登記を行う際に課される税金です。

 

相続による土地の所有権移転登記の税率は、原則として不動産の価額の1,000分の4(0.4%)です。

 

課税標準となる「不動産の価額」は、通常、固定資産課税台帳に登録された価格を使用します。

 

登録免許税は相続税とは別の税金であり、相続登記を行う際に必要となります。

 

相続手続きの一環として忘れずに対応することが重要です。

 

相続における土地の評価方法とは?計算方法は2種

土地の評価方法と計算方法は以下の2種類があります。

 

どちらを利用するかは、国税庁が自治体ごとに定めており、これによって変わります。

 

基本的には路線価方式を使うことが多いです。路線価を基準にすることで、客観的な土地の評価が可能になります。

 

路線価がある土地の計算方法

正確な評価額の算出には専門知識が必要なため、税理士などの専門家に相談することが推奨されます。

 

路線価の確認

国税庁のウェブサイトで公開されている路線価図から、該当する土地の路線価を確認します。

 

基本的な計算式

相続税評価額 = 路線価 × 土地面積 × 各種補正率

 

土地面積の確認

登記簿謄本や固定資産税の納税通知書で土地の面積を確認します。

 

各種補正率の適用

土地の形状や利用状況に応じて、以下のような補正を行います。

 

・奥行価格補正率

・側方路線影響加算率

・不整形地補正率

・間口狭小補正率 など

 

具体的な計算例

路線価が20万円/㎡、土地面積が100㎡、奥行価格補正率が0.95の場合は以下のような計算です。

 

20万円 × 100㎡ × 0.95 = 1,900万円

 

注意点

複数の道路に面している場合は、それぞれの路線価を考慮して計算しましょう。

 

また借地権が設定されている場合や貸家建付地の場合は、別途計算方法があります。

 

路線価がない土地は倍率方式で計算

路線価が設定されていない土地の相続税評価額は、倍率方式で計算します。倍率方式の計算方法は以下の通りです。

 

(1)固定資産税評価額の確認

固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書や固定資産税評価証明書で確認できます。

 

(2)評価倍率の確認

国税庁が毎年公表する「評価倍率表」から、該当地域の倍率を確認します。評価倍率は国税庁のウェブサイトで公開されています。

 

(3)相続税評価額の計算

相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率

 

土地を相続したときに活用しよう!控除や特例も要チェック

控除とは、税金の計算において一定の金額を差し引く制度のことです。

 

土地を相続した際に活用できる主な控除や特例には以下のようなものがあります。

 

不整形地補正

土地が三角だったり、いびつな場合に使えるものになります。

 

不整形地補正を適切に適用することで、土地の相続税評価額を最大40%減額できる可能性があります。

 

不整形な土地の利用価値の低さを評価額に反映させる目的があります。

 

補正率の範囲

0.60~1.00の間で設定

形状が不整形であるほど低い補正率が適用される

 

計算方法

宅地の相続税評価額 = 整形地である場合の評価額 × 不整形地補正率

 

補正率の決定要素

地区区分(商業地区、住宅地区など)

地積区分(A、B、Cの3区分)

かげ地割合(想定整形地の面積に対する不整形部分の割合)

 

計算手順

  1. a) 地積区分の判定
  2. b) かげ地割合の計算
  3. c) 不整形地補正率表で該当する補正率を確認

 

他の補正との併用

間口狭小補正率や奥行長大補正率と併用可能です。

 

注意点としては、かげ地割合が10%未満の場合、不整形地補正は適用されないことです。

 

小規模宅地等の特例

相続税額を大幅に軽減できるほか、居住用地や事業用地を売却せずに済む可能性が高まります。

 

この控除の目的は、相続税の負担を軽減し、相続人の生活基盤や事業継続を守ること。

 

適用対象と減額割合

特定居住用宅地等:80%減額 (限度面積330㎡)

特定事業用宅地等:80%減額 (限度面積400㎡)

貸付事業用宅地等:50%減額 (限度面積200㎡)

 

主な適用要件

被相続人の居住用・事業用・貸付用に使用されていた宅地であること

相続人が一定期間、居住や事業を継続すること

相続開始から申告期限まで土地を保有し続けること

 

計算方法

特例適用後の評価額 = 特例適用前の評価額 – (特例適用前の評価額 × 減額割合)

 

地積規模の大きな宅地

この評価方法は、広大な土地の相続において有効な節税策の一つとなります。

 

適用要件

三大都市圏:500㎡以上の宅地

その他の地域:1,000㎡以上の宅地

 

普通住宅地区または普通商業・併用住宅地区に所在すること

 

評価方法

通常の評価額に規模格差補正率を乗じて評価額を減額

面積が大きくなるほど評価額が低くなる仕組み

 

減額効果

最大で相続税評価額が約20%以上減額される可能性がある

 

小規模宅地等の特例との併用

地積規模の大きな宅地の評価と小規模宅地等の特例は併用可能

 

注意点としては、市街化調整区域や工業専用地域、高容積率地域などは適用対象外になります。

 

また土地の分割方法によっては適用できなくなる可能性があることも覚えておきたいポイントです。

 

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減は、土地を含む相続財産の相続税を大幅に軽減できる重要な制度になります。

 

軽減の内容

配偶者が実際に相続した財産額のうち、以下のいずれか大きい方の金額まで相続税が非課税となります。

 

配偶者の生活基盤を守ることができるのと、遺産分割の柔軟性が高まることがメリットです。

 

ただし、事実婚の場合は適用されないほか、相続放棄した場合は適用されないなど気を付けることもあります。

 

・1億6,000万円

・配偶者の法定相続分相当額

 

適用条件

・被相続人の配偶者であること

・相続税の申告期限内に相続財産を取得すること

 

土地相続への影響

配偶者が相続する土地の価額が上記の非課税枠内であれば、その土地にかかる相続税が免除されます。

 

小規模宅地等の特例と併用することで、さらなる税負担の軽減が可能です。

 

土地を相続したら気にしたいポイント3つ

土地を相続したら、まず考えたい3つのことについて紹介しましょう。

 

申告には期日があるので迅速に申請しよう

相続税の申告には期限があり、これを守ることが非常に重要です。

 

申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内となっています。

 

数種類の申告書が必要

土地について相続を申告する際には、下記のようにいくつかの申告書と添付書類が必要になります。

 

申告期限があるのでスピーディーに書類を集めるようにしましょう。

 

相続税の申告書

・相続税申告書(第1表〜第15表)

 

財産の種類ごとに必要な表を作成します。

財産評価関係書類

・土地の評価明細書

 

路線価方式または倍率方式で土地の評価額を計算します。

 

小規模宅地等の特例適用関係書類

・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算明細書

 

特例を適用する場合に必要です。

 

遺産分割関係書類

・遺産分割協議書の写し

・遺言書の写し(ある場合)

・添付書類

・戸籍謄本

・登記簿謄本(土地・建物)

・固定資産税評価証明書

・賃貸借契約書(貸地・借地がある場合)

 

その他の控除関係書類

・配偶者の税額軽減に関する明細書(該当する場合)

・未成年者控除、障害者控除の明細書(該当する場合)

 

 

時短!相続税は難しいので税理士に頼む場合が多い

相続税には、財産評価、各種控除、税額計算など専門の知識が必要とされます。

 

また土地や株式など評価が難しい財産がある場合は、特に複雑になることから、一般的には多くの人が税理士に依頼します。

 

税理士なら的確なアドバイスをくれる

相続税法や土地評価など専門的な知識を持つ税理士が適切に対応できます。

 

土地を相続する場合は、土地評価に詳しい税理士を選ぶとよいでしょう。

 

スピーディーに申請を進行できる

必要書類の収集から申告書作成まで一括してサポートしてくれます。

 

このため期限内に確実に申告できます。ただし、税理士選びは重要です。

 

相続税の専門性や実績、評判などをよく確認し、信頼できる税理士を選ぶことが大切でしょう。

 

節税にもなる

財産評価や控除の適用を適切に行い、正確な申告が可能です。

 

また説明してきたように複雑な小規模宅地等の特例など、適用可能な特例や控除を漏れなく活用できます。

 

このほかにも遺産分割や二次相続対策など、相続全般についてアドバイスが得られます。

 

土地の相続税は富士市にある和田会計にお任せください


土地を相続する場合は、静岡県富士市にある和田会計にぜひお任せください。

 

相続税の申告には期限があります。

 

この期限内に個人を偲ぶ時間やさまざまな手続きをするのは大変なほか、相続税のことを考えると気持ちが重くなるものです。

 

大事な相続手続きだけでも私たちにお任せいただけると、心持ちが少し軽くなると思います。

 

下記のメールフォームよりぜひお問い合わせください。

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